石油ファンヒーターメーカー各社は、1日10時間5か月の使用を基準にしています。ちなみに1月は30日です。
アラジンが想定するランニングコスト
どのメーカーも、電気代についてのランニングコストは書かれていますが、灯油代については書かれていません。年間の灯油代を書くと、万を軽く超えてしまうので、石油ファンヒーターのランニングコストがとても高く見えてしまうからです。
そのなかで、アラジンは、自社石油ファンヒーターのeco運転の良さを強調するために、年間灯油代について考えるヒントを提供しています。
すなわち、「AKF-L424N」という機種は、eco運転をする、しない、によって年間灯油代にして約2880円の差がうまれる、ということです。
そして、この差は、「約10%の省エネ」にあたる、というのです。
この点から考えると、2880円の10倍が年間灯油代になる、ということですよね。
「約10%の省エネ」のeco運転も考慮します。
つまり、2880 × 9 = 25920円が年間灯油代ということになります。
1か月の電気代はそのまま書かれているので、それを使うと
強の設定の時は、約165円(約145.2円と書いてあるが間違いのよう)で、弱の設定の時は、約85.8円。
平均をとると、約125.4円。
5か月で考えるので5倍すると627円。
点火時の消費電力は610Wと、かなり大きいものの、その時間は短いので、影響は小さいと考え、この電気代には含まれていません。
灯油代と電気代を足して、年間の石油ファンヒーターのランニングコストは
25920 + 627 = 26547 円になります。
1か月、5309.4円です。
このカタログの灯油価格は、今年の1月7日の石油情報センター全国平均店頭価格で決めています。その時は、1リットル96円でした。
11月現在1リットル96.6円くらいなので、感覚的に同等です。
アラジンが想定する灯油代検証
先のランニングコストは、「外気温5度、設定温度20度 暖房負荷1.8kwの8畳の実験住宅」で行われた、通常運転とeco運転での灯油の消費量の差から、灯油価格を掛けて、だしたものらしいです。
では、カタログスペックから、よくやる方法で検証してみましょう。
「AKF-L424N」の燃料消費量は「 「強」0.410~「弱」0.079 L/h 」とあります。
これを平均します。平均燃料消費量は 「0.2445 L/h」 です。
これに、1500時間と1リットル96円をかけると 35208円です。
1か月、7014.6円になります。
アラジンが想定する灯油代の実験では、燃料消費量は、「通常運転時0.22l/hとeco運転時0.20l/h」でした。
カタログスペックから、燃料消費量を平均するやりかたで、実際の燃料消費量をわりだすことができるかは疑問です。
そもそも、年間灯油代を計算するときは、
燃焼時間 × リットルあたりの灯油代 × 燃料消費量
という式になります。
リットルあたりの灯油代は、基本的に固定ですが、燃焼時間と燃料消費量は、北日本では寒くなるので、大きくなるし、南日本では、小さくなります。
というわけで、アラジンが想定する灯油代も、カタログから計算していく灯油代も、実際の灯油代とはかなり離れていることは推測できます。