石油ファンヒーターの原価はいくらでしょうか?
売上の7割が石油ファンヒーターだというダイニチの財務諸表でわかるのではないでしょうか。
見たところ、石油ファンヒーターの原価は書かれていませんでした。ただ、ダイニチが出す製品全体の原価は書かれていました。
ダイニチは、石油ファンヒーターや業務用石油ストーブなどの石油暖房製品のほかに、加湿器、空気清浄機、家庭用燃料電池システムなどの環境機器、コーヒーメーカーなどのその他製品を売っています。
そこで、この数年間で、一番、石油暖房機器の売上比率が高い年を探しました。
それは、2011年3月期でした。石油暖房機器の売上が全体の売上の91%もあります。これで、環境機器や、その他製品の影響を可能な限り排除できます。石油暖房機器の売上のうち、石油ファンヒーターは9割を占めます。
2011年の売上高は187億で、製品売上原価は135億でした。
売上高に占める、製品売上原価の比率は 72%になります。
別の項で出した、ダイニチの1台あたりの平均出荷金額は11,328円でした。
だとすると、平均製品原価は8,156円です。
原価には、材料費、労務費、経費が含まれます。
材料費は、500個の部品や鉄板の調達費用です。
労務費は、工場の人件費です。
経費は、工場の光熱費、機械のリース料です。
2013年3月期には、材料費は原価の56%、労務費は12%、経費は31%です。
最近は、材料費が高くなっています。そこで、ダイニチは、生産性を向上させたり、製品納入価格に転嫁しているようです。
ついでに、2011年3月期の販売管理費は33億円で、18%。
石油ファンヒーターから出る利益は、19億円で、10%です。
石油ファンヒーター1台から、平均1132円の利益が出る計算になります。